山崎朋子 「サンダカン八番娼館」

新装版 サンダカン八番娼館 (文春文庫)

  • 以前、「からゆきさん」「じゃぱゆきさん」という語の意味を調べた際に興味を持ったノンフィクションが今般目出度く復刻されていたので購入。
  • 青臭い物言いにやや興醒める部分もありますが、「名著」というだけあって、やはり力のあるノンフィクション。度肝を抜かれました。
  • 回想も凄いですが、1968年の暮らしぶりがまた凄まじい。1968年というとサマー・オブ・ラヴの翌年、ウッドストックの前年ですが、その時点でここまで苛烈な困窮生活を送っていたという事実に驚愕せざるを得ません。
  • 男装の木下クニや女衒の由中太郎造などなど、各章の扉に掲載された写真がリアリティーを倍加させています。
  • 「嬪夫(ピンプ)」というのはやはり「pimp」が語源なんでしょうか。偶然の一致だとしたら凄い。