桂文楽 「NHK落語名人選(103)」

[rakuten:toemifc:10000349:image]

  • 桂文楽ならば特に迷うこともなく「明烏」と「心眼」収録の本盤に決定 。
  • 山崎朋子「サンダカン八番娼館」を読んだ後で廓噺というのもやや憚られますが、これはこれ。
  • 「弁慶と小町は馬鹿だなあ嬶ァ」、「堅餅の焼き冷まし」、「稲本、品川楼、大文字、角海老」、「文金、赭熊、立兵庫」、「図々し学校卒業生」、「女郎買い振られた奴が起こし番」、「口返答(つう)を返す」、「味噌吸い物(みそずいもん)」といった辺りのフレーズの解説が付いていると有り難いのにと思いますが、付いていなくても現在はネット上に解説がゴロゴロしているので理解が助けられます。
  • 「盲人の夢姿を見ず、聾の夢声を聞かず」、「ドめくら」という政治的に激しく正しくない用語が大らかに語られております。
  • 「寝ているうちだけ、よォーく見える」というサゲの後味が良いのか悪いのか分かり難いような気もしましたが、京須偕充の「華やかな芸風の名人が淡々と語る結末の滋味はたとえようもない」という解説を読むと、そういうものかという気がしてきました。
  • 北村銀太郎が「と言って堅苦しいところなんか微塵もなくて、はなやかな艶がある」と評したのは分かりましたが、「扇一本、舌先三寸であれだけの感銘を人の心に与えることの出来る噺家は、まったく大したもんだよ」とまで言うのはCD1枚ではちょっと理解が覚束ない。
  • 他方で、三遊亭圓生の言う「言い違いは少ないかも知れないが型にはまって、野球のピッチャーでいえば、ストライクは投げるが球に伸びがないということになってくる」というのも何となく分かる気がしなくもない。
  • 北村銀太郎が人格者、人格者ともてはやすので、伝説的な最後の高座のエピソードと相まって、何となくストイックで品行方正なイメージがありましたが、5回も結婚する等、女性関係は割と乱れ気味。