村上春樹・和田誠 「村上ソングズ」

村上ソングズ

  • 村上春樹の訳詞というと「波の絵、波の話」が印象深い。「僕がフェニックスにつくころ(恋はフェニックス)」や「キャロライン・ノー」など実に良かった。
  • 訳詞で感動してジミー・ウェッブ「テン・イージー・ピーセス」を購入した程です(曲は全然ピンと来なかった)。
  • その副作用で、ドアーズ「ムーンライト・ドライブ」の歌い出しが「月まで泳ごうぜ」ではなく「月まで泳いでいこう」であることに違和感を感じます。
  • サラ・ヴォーンアフター・アワーズ」を聴いた際の疑問(レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」との関係)にもバッチリ答えてくれています。曰く「ミュージカルの主題歌としてヒットした有名な曲だから、フィリップ・マーロウさんだってきっとこの言い回しを耳にしていたに違いない。しかしマーロウは『フランス人というのはどんな場合にもぴったりとはまる台詞を持っている』と前置きをしてから、引用するかたちでこの一行を口にするわけだが、定説としてはフランスの詩人エドモン・アーロクールの書いた詩に、ポーターがインスパイアされてこの歌を書いたということになっている」とのこと。
  • 特に聴きたくなったアイテムはありませんでしたが、コール・ポーターの伝記映画「五線譜のラブレター」はちょっと観てみたい。
  • ジャズがちょっと多めなので、ニール・ヤングとかボブ・ディランとかが入っていても良かったかも知れません。ソウル〜ブルース方面はないと思っていたので、クラレンス・カーターは意外でした。
  • 冒頭にもってくるだけあって、ビーチ・ボーイズ「神様しか知らない」は訳詞も解説も流石に素晴らしかった。