ガブリエル・ガルシア=マルケス 「悪い時 他9篇」

悪い時 他9篇

  • せっかくイタリアに行くのだからとイタロ・カルヴィーノ「見えない都市」等も持って行ったのですが、余り読書する時間もなく、本書を途中まで読んだところで帰国してしまいました。
  • 帰国後も中々読み進まず、いっそ放り出そうかとも思いましたが、そろそろ他の物も読みたいので発憤興起してやっつけました。
  • 時系列的な俯瞰が可能となるよう、長編「悪い時」と短編集「ママ・グランデの葬儀」を1冊にコンパイルしたところがミソでしょうか。
  • 読むのに時間をかけすぎて記憶も朧気ですが、短編はイメージも鮮やかで面白かったと思います。
  • 問題は「悪い時」。バラバラのエピソードをバラバラなまま読んでしまった感じで、総体としてどのような話であるのか良く分かりませんでした。読み込めばとても重層的な話なのかもしれませんが、読み込ませるだけの推進力が足りない感じで、物凄く不完全燃焼。
  • ここから次でいきなり「百年の孤独」が飛び出るのだから、相当の断絶と飛躍という感じがします。
  • 「悪い時」と「百年の孤独」の間の断絶と飛躍、というのはちょっと前に新聞の日曜版の書評で見かけたような記憶があるのですが、あの書評をもう一度読みたい。
  • 時系列で読むとして、「百年の孤独」は既読なので、次は「族長の秋 他6篇」。これは実に楽しみ。