- オリジナル3部作を読み終わったところでこちらもちょっと間が開いてしまいましたが、ゲド戦記4作目(原題は「Tehanu」、発表時点での副題は「最後の書」)、「初老ゲド、故郷の島に帰る」。
- 作品の発表は前作から16年の時を経ていますが、作中ではカレシンがゲドを載せてゴントに行く辺りから始まるギャップレスな展開。
- 「彼女はヒウチイシが連れ帰った肌の白いカルガド人の女は魔女だそうな、と噂する村人たちの声など無視して、さっさと噂の主と友だちになり、以来ずっとふたりの関係は続いていた」という一文が妙に染みる。
- オジオン死亡、ゲド脱童貞という二大衝撃。もはやファンタジーとは言えないレベルまで渋くなっています。
- 終章「テハヌー」で鮮やかにまとめられているような気がしてしまいますが、よくよく考えると作中で山ほど提示された問いが全然回収されていないという。その辺りは(現時点での)シリーズ最終作「アースシーの風」に期待。
- 作品とは関係ありませんが、アーシュラ(Ursula)はガブリエル・ガルシア=マルケス「百年の孤独」に出てくるウルスラと同じスペル(カトリックの聖人、聖ウルスラに因んでいる)模様。