広沢虎造 「清水次郎長伝−清水の三下奴/善助の首取り/鬼吉の喧嘩状」

日本の伝統芸能〈浪曲〉清水次郎長伝 清水の三下奴/善助の首取り/鬼吉の喧嘩状/二代目広沢虎造

  • 三味線に混じって拍子木の音で何か凄いライヴ感、と思ったら万雷の拍手まで。「清水の三下奴」だけではありますが、本当にライヴ録音でした。これは望外な。
  • やはりライヴ録音は良いです。観客のヴィヴィッドな反応にも感じ入ってしまいます。
  • 借金の形に化粧回しを取られたことを若勇の代理でシンガリ政吉が次郎長に詫びるところから、借金返済の使いに出した2人の三下奴が弱いと言われて逆上、詫びをしようとしていた醤油屋善助を斬首、黒駒勝蔵が加勢して小岩が喧嘩状を清水に届ける、清水から桶屋の吉五郎(鬼吉)が喧嘩状の返事を届けるところまで。
  • 「義理の峠や人情の坂を、渡る浮世の旅鴉」が本巻では耳に残る言い回し。
  • 次郎長と小岩の「忘れものは無えか?」「忘れものは無え筈だ」のやりとりも久々に浪曲らしい場面でグッときました。
  • 国定忠治の引用が出るとは意外でした。日光円蔵の故事に因んで早桶を背負って喧嘩状を届けるという趣向。
  • 3口演分のヴォリュームに加えて、展開も早く、久々に聞き応えのある巻でした。
  • 残るは2巻。次は「次郎長と玉屋の玉吉」。