- 小出斉「ブルースCDガイドブック2.0」を片手に戦前ブルースをつらつらと物色してみるに、この極め付けの有名盤を持っていないことに気付きました。
- 痴情のもつれの果てにカミソリでのど首を切られるというチャーリー・パットンのエピソードもいかにもブルースマンですが、そんなチャーリー・パットンから録音前日にルイーズ・ジョンソンを寝取るサン・ハウスも凄い。
- しかし何でまたウィスコンシン(グラフトン)なんかで録音したのでしょうか。もっと近くに適地がありそうなものですが。
- と思ったら、所謂「レイス・レコード」の約1/4が録音、プレスされたというその筋では有名な町のようです。というか、そもそもパラマウント・レコード自体が元々ウィスコンシン・チェアー・カンパニーという会社が始めた副業で、本拠地がグラフトンだった模様。
- Pヴァインのレーベル名の由来<チャーリー・パットン「Pヴァイン・ブルース」<ドッカリー・プランテーションへの引き込み鉄道線の名称というのは初めて知りました。
- 「ロバート・ジョンソンが「クロス・ロード・ブルース」で「テル・マイ・フレンド・ボーイ、ウィリー・ブラウン」と歌っているのが、多分このウィリー・ブラウン。「デルタいちの弾き手」と小出斉も言っていますが、言われてみれば技巧派な感じ。
- この3曲の録音だけでデルタ・ブルースの伝説となったサン・ハウス。 いかにも元プリーチャーといった感じのシャウトも格好良くて痺れます。少しソフィスティケイトされたトミー・マクレナンといった感じ。
- ハウリン・ウルフに強い影響を与えたと言われるチャーリー・パットンの唱法ですが、直系と言うほどには似ていない気がしました。
- 本作は「ヒストリック・ブルース・セッションズ1」となっている訳ですが、「ヒストリック・ブルース・セッションズ2」である「ピーボディ・ホテル・セッションズ1929」も面白そう。
- 因みに「ヒストリック・ブルース・セッションズ3」はマディ・ウォーターズ・ブルース・バンド「シカゴ・バンド・ブルースの誕生1950」。
- 9月にリイシューされるようですが、何かボーナス・トラックでも収録されるのでしょうか。