Son House, Charlie Patton 「The Legendary Delta Blues Session」

伝説のデルタ・ブルース・セッション1930

  • 小出斉「ブルースCDガイドブック2.0」を片手に戦前ブルースをつらつらと物色してみるに、この極め付けの有名盤を持っていないことに気付きました。
  • 痴情のもつれの果てにカミソリでのど首を切られるというチャーリー・パットンのエピソードもいかにもブルースマンですが、そんなチャーリー・パットンから録音前日にルイーズ・ジョンソンを寝取るサン・ハウスも凄い。
  • しかし何でまたウィスコンシン(グラフトン)なんかで録音したのでしょうか。もっと近くに適地がありそうなものですが。
  • と思ったら、所謂「レイス・レコード」の約1/4が録音、プレスされたというその筋では有名な町のようです。というか、そもそもパラマウント・レコード自体が元々ウィスコンシン・チェアー・カンパニーという会社が始めた副業で、本拠地がグラフトンだった模様。
  • 要するに、ステレオの筐体やキャビネットを造っていた木工業者がコンテンツ業にも手を出したという、ソニーの原型のような話。
  • Pヴァインのレーベル名の由来<チャーリー・パットン「Pヴァイン・ブルース」<ドッカリー・プランテーションへの引き込み鉄道線の名称というのは初めて知りました。
  • ロバート・ジョンソンが「クロス・ロード・ブルース」で「テル・マイ・フレンド・ボーイ、ウィリー・ブラウン」と歌っているのが、多分このウィリー・ブラウン。「デルタいちの弾き手」と小出斉も言っていますが、言われてみれば技巧派な感じ。
  • この3曲の録音だけでデルタ・ブルースの伝説となったサン・ハウス。 いかにも元プリーチャーといった感じのシャウトも格好良くて痺れます。少しソフィスティケイトされたトミー・マクレナンといった感じ。
  • ハウリン・ウルフに強い影響を与えたと言われるチャーリー・パットンの唱法ですが、直系と言うほどには似ていない気がしました。
  • 本作は「ヒストリック・ブルース・セッションズ1」となっている訳ですが、「ヒストリック・ブルース・セッションズ2」である「ピーボディ・ホテル・セッションズ1929」も面白そう。
  • 因みに「ヒストリック・ブルース・セッションズ3」はマディ・ウォーターズ・ブルース・バンド「シカゴ・バンド・ブルースの誕生1950」。
  • 9月にリイシューされるようですが、何かボーナス・トラックでも収録されるのでしょうか。