桂米朝 「特選!!米朝落語全集(13)」

特選!! 米朝 落語全集 第十三集

  • ちょっと上方もと思って手を出してズルズルと聴き続けてきましたが、取り敢えずここでいったん打ち止めにする予定。「骨釣り」と「まめだ」。
  • 「現行の『野ざらし』は、女が来た翌朝、隣人が叩き起こすところから始まりますが、それ以前の件りが昔は東京にもあったはず・・・・・と思いますが、上方の『骨つり』にはそれが残っています。しかもそれが極めて上方らしい賑やかな趣向になっています」、「サゲが男色になっているのも、原点の笑府以来の型です」との解説通り。
  • 「いやそらま、こっちの舞妓やみな、そら竿扱い慣れてないかしらんけど、あっちの芸妓やみな、いろんな竿に当たって」というのは三味線絡みのネタなんでしょうか。お調子者の幇間の台詞なので下ネタという可能性もあるような気がするのですが。
  • 「別嬪やへちゃや言うたかて皮一枚の仕業や」という言い回しが出てきますが、まさに「Beauty is only skin deep」。美醜に関する諦観は洋の東西を問いません。
  • 上方版は二匹目の泥鰌狙いで隣人の喜ィさんがきっちり骨をゲットしたところから妄想スタート。妄想絶好調のところで「開門!開門!」がハイライト。
  • 主目的は「まめだ」。「また事実、これは佳作で、しゃべっていて私自身、フッと涙ぐむことがあります。サゲが上々です」と解説されていますが、確かに「・・・・・お前なあ、・・・・・言わんかい、教たんのやがな」という辺りでフッと涙腺が緩みますし、「お母はん、見てみ。狸の仲間から、ぎょうさん香奠が届いたがな」というサゲは上々。
  • 「いや、今日は銭がちゃんと合うて、銀杏の葉が入ってないねや」〜「・・・・・不思議なぁ、それは、・・・・・何も不思議なことあらへん、そいでええのや。当たり前や」で笑わせておいて、「いや、さぁ、そ、それがわしがどう考えても不思議なというのは、今日に限ってあの絣着た陰気な男の子が来なんだんじゃ」で繋いで、翌朝にはまめだが死んでいるという展開もスムースにして鮮やか。
  • 確かに趣味の良い佳作でありました。