- 全体的にフォーカスが絞れていないのですが、割り切ってしまえば、大本営陸軍作戦課の群像を描いた第二章「参謀本部作戦課」、及び、戦中の各方面の動きを扱った第三章「天皇の軍隊」が飛び抜けて興味深く、角田房子「責任−ラバウルの将軍今村均」、「いっさい夢にござ候―本間雅晴中将伝」、「一死、大罪を謝す−陸軍大臣阿南惟幾」、半藤一利・保阪正康「昭和の名将と愚将」、加東大介「南の島に雪が降る」など、関連して読んでみたいものもいくつか出てきました。
- 共同通信社なだけに左寄りな内容になるのは特段気にならないのですが、「『一体、だれがあの愚かな戦争を始めたのか』という素朴な疑問」というような薄っぺらいクリシェは著しく興を削ぎます。興味深かっただけに残念。
- 晴気誠少佐の遺書がやたらと泣けました(「予が魂、亦共にあらん」)。