共同通信社社会部編 「沈黙のファイル−『瀬島龍三』とは何だったのか」

沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫

  • 共同通信社なだけに左寄りな内容になるのは特段気にならないのですが、「『一体、だれがあの愚かな戦争を始めたのか』という素朴な疑問」というような薄っぺらいクリシェは著しく興を削ぎます。興味深かっただけに残念。
  • 晴気誠少佐の遺書がやたらと泣けました(「予が魂、亦共にあらん」)。
  • 瀬島龍三のシベリア抑留はゴルゴ13「モスクワの記憶」でも扱われていましたが、本書では一応密約はなかったとの立場のようです。山崎豊子不毛地帯」も読んでみたいのですが、文庫で4冊となるとやや躊躇われます。
  • パラパラと長谷川四郎を再読したりしていたのですが、長男長谷川元吉が「父・長谷川四郎の謎」という本で長谷川四郎スパイ説などを提示しているらしい。そうなるとあのクールなスタイルにも別の意味が出てきてしまいそうなのですが。