- NHK−BSで放送されたミュージシャン映画3作。ボビー・ダーリン、ジョニー・キャッシュ、コール・ポーターのうち最も興味が薄いボビー・ダーリンから観ることにしました。
- 実は自伝映画の撮影中でした、という捻った入り方で、フッと時制が飛んだりミュージカルになったり。曲者感が漂うところがケヴィン・スペイシーらしい。エキセントリックなようですが、意外とナチュラルに観ることができます。
- 37歳で死んだボビー・ダーリンを演じるにはケヴィン・スペイシーは老け過ぎではないか、と思ったら作中でも記者に突っ込まれてました(ケヴィン・スペイシーが実際に言われたらしい)。
- ジョン・グッドマン、久々に見ました。
- スタンダード・シンガー志向というのはマーヴィン・ゲイ(1939年生まれ。ボビー・ダーリンは1936年生まれ)と同じですが、フランク・シナトラとかナット・キング・コールとか、当時クルーナーが支配的な影響力があったことが伺えます。
- 調べてみると、映画にも出てきた「シンプル・ソング・オブ・フリーダム」等、キャリア終盤のいくつかのレコードはモータウンからリリースされているようです。
- 出産時に母親が若すぎたため祖母を母親だと思い込まされてたまま育てられたというのはエリック・クラプトンも同じだったような気がしますが、7歳頃に事実を知ったとのこと。とうに成人してから聞かされるのとどっちがきついでしょうか。後者だと想像しますが。
- 最後に「思い出は月光のようなもの(Memories are like moonbeams)」という劇中の台詞を引用して、事実を元にしたフィクションである旨の説明を挿入するところも小憎い趣向。
- ベルトルト・ブレヒトとクルト・ヴァイルの「三文オペラ」の劇中曲「モリタート」の英題=「マック・ザ・ナイフ」=主人公の愛称。
- 「ビヨンド・ザ・シー」と「ラ・メール」が同じ曲であることについては、村上春樹がどこかで映画「フレンチ・キッス」を引用しつつ解説していたのを読んでいたので大丈夫でした。
- 好きなことをやっている感じは伝わってくるので、何となく愛らしい作品という感じはします。
- なんとケビン・スペイシーはバンドを編成して「ビヨンドtheシー」ツアーまでやっていたらしい。