Alton Ellis 「Soul Train is Coming」

Soul Train Is Coming [帯解説 / 国内盤] (DBCD017)

  • 「ミスター・ソウル・オブ・ジャマイカ」ことアルトン・エリスがリンパ腺癌で亡くなっていたという事実(昨年10月10日。享年70歳)を知って驚きました。香典代わりに購入。
  • 米光達郎が言うほど素晴らしいライナーでもないように思いますが、アルトン・エリス・アンド・ザ・フレイムス「ガール・アイヴ・ガット・ア・デート」をパクッたハリー・J・オールスターズ「リキデイター」(UKリリース)を引用したのがステイプル・シンガーズ「アイル・テイク・ユー・ゼア」、という経緯が分かったのは有り難い。
  • アルトン・エリス・アンド・ザ・フレイムス「ガール・アイヴ・ガット・ア・デート」はあまり始祖として認識されていないようですが、聴いてみたい(本盤には未収録)。
  • コンパイルの趣旨が今一つ分かりにくいのですが、アルトン・エリスが60年代後半〜70年代にプロデュースした作品集ということらしい。妹ホーテンス・エリスの2曲、ジョニー・ムーア(スカタライツのトランペッター)の1曲を除く16曲がアルトン・エリス名義。かつレア音源集という側面もあるようで、総体としてどういう性格のコンピレーションなのか分かりづらい。
  • とブツブツ言いつつも、聴き始めてしまえばコンパイルの意図などどうでも良いかという気になる19曲51分。これぐらいの収録量が程良いです。
  • ジェイムス・カー「トゥー・ラヴ・サムバディ」にも似た雰囲気の「デンヴァー」、アル・グリーンばりの語りから入ってらしからぬディープなシャウトを披露している「デディケイション」辺りは意外性がありましたが、その他は例によって例のごとくの染みるアルトン節でまったりと和みます。表題曲「ソウル・トレイン・イズ・カミング」などトロトロッと蕩けそうなメロウネスで夢見心地です。
  • ホーテンス・エリス「アイ・ミス・ユー・ソー」がプロコル・ハルム「青い影」のイントロ丸パクリで微笑ましい。
  • 1曲目「マイ・タイム・イズ・ザ・ライト・タイム」のDJカット「バム・バイ」で締めるという趣向は理解できなくもないのですが、実際に聴いてみるとそれほど決まっていない気がしました。