「魅惑のオペラ(01);フィガロの結婚」

DVD BOOK 魅惑のオペラ フィガロの結婚 モーツァルト

  • 落語からのつながりで主要な歌舞伎狂言の解説・字幕付きDVDがないかと物色していたのですが、どうもピンとくるものが見つからないため、オペラについて探してみるとそれなりに良さそうなシリーズがいくつか見つかったので、とりあえず小学館「魅惑のオペラ」シリーズ第1巻「フィガロの結婚」を購入してみました。ベルナルト・ハイティンク指揮、ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団。1994年、グラインドボーン・フェスティヴァル・オペラ。
  • DVDと解説本がコンパクトに収まっていて中々良い感じのシリーズ(世界文化社「オペラ名作鑑賞」シリーズは1作品につき2公演も収録されているようで敬遠してしまいました)で、オペラにおける序曲のあり方や、アリアとレチタティーヴォといった基本的な構成要素が一通り理解できました。
  • 有名な序曲にも耳覚えがありましたが、ケルビーノのアリエッタ「恋とはどんなものなのか(恋とはどんなものかしら)」に強力な耳馴染みがあったのでウィキペディアで調べてみると、「『キユーピー3分クッキング』の名古屋のCBC製作バージョンのオープニングテーマ(オルガン)」とのこと。
  • 更には、映画「ショーシャンクの空に」で使用されたのはスザンナと伯爵夫人の小二重唱「そよ風によせる歌」とのこと。逢い引きの場所を告げる秘密の手紙(「庭の茂み、松の木の下で」)から手紙の隠し場所を告げるという連想でラスト・シーンに回収されていくという粋な伏線だったわけですか。
  • 同じようなエピソードは「アンタッチャブル」にもあったなと思って調べたところ、ルッジェーロ・レオンカヴァッロ「道化師」のアリア「衣装をつけろ」とのこと。
  • 第1幕のマルチェルリーナとバルトロの言動(「俺の結婚を妨害した奴に俺の昔の女を押し付けるのは面白いぞ」)が今一つ理解できなかったのですが、「セビリヤの理髪師」から流れを引き継いでいるからということのよう。
  • 「セビリヤの理髪師」の続編とは知りませんでしたが、まさか初夜権にまつわる話とは思ってもみませんでした。
  • 面白いと言えば面白いし、時間的な余裕があればこのシリーズで改めて他の作品も観てみたいのですが、もっと観たいという強い気持ちが浮かんでこないので、他に観るもの、聴くもの、読むものが積み上がっている現状を鑑みるに、当面後回しにせざるをえません。
  • 年末年始にかけて「象引き」やら「日本の伝統芸能歌舞伎入門」やら、ヘニング・ブロックハウス演出の「トゥーランドット」やら色々録画して観てみましたが、演劇の楽しさが相変わらず良く分かりません。やはり一度は生で観劇しないと駄目なような気がします(ストーリーなんてまるで理解できないけどCD等で約3時間音楽に浸るという楽しみ方もあるのかも知れませんが)。
  • 他方で、惰性で録画していた「極付歌舞伎謎解」は意外に興味深くて見逃せません。