- 小西康陽「マーシャル・マクルーハン広告代理店。ディスクガイド200枚。小西康陽」で、「すべての女性シンガー・ソングライターは不思議ちゃんである。たとえばピアノを弾いて歌う白石かずこを想像してみること」と書かれていたローラ・ニーロ。チョイスされていたのは「イーライと13番目の懺悔」でしたが「一番好きなのは『ゴナ・テイク・ア・ミラクル』だが、もう二度と聴かなくとも心の中でプレイバック出来る」ということだったので、こちらを購入してみました。
- バックアップ・ヴォーカルはラベル、プロデュースはケニー・ギャンブル&レオン・ハフ、アレンジャーはトム・ベルと、現時点から振り返れば鉄壁の布陣ですが、オージェイズ「裏切り者のテーマ」が1972年、ラベル「レディ・マーマレード」のヒットは1975年のこと。
- ラベルのマネージャー、ヴィッキー・ウィッカムが語る「私とパティが部屋に入ると、ローラは“パティ・ラベル!パティ・ラベル!”と大はしゃぎで、彼女が参加したレコードすべて、歌った曲の一音残らず知っているようだったわ。二人の会話はいつまでも止まらなくて、私は”インタビューをしたいので少し黙ってもらえない?”と言わなければならなかったほどよ」というエピソードが可愛いです。
- わずか5時間で歌入れが終了したという雰囲気を反映してか、「モンキー・タイム」や「ジミー・マック」のようなアッパー・ノーザン系に良い味があると思います。
- 「ユー・リアリー・ゴット・ア・ホールド・オン・ミー」の終盤のアレンジが意味不明で違和感を覚えます。アルバム全体のトーンからも浮いていると思うのですが、後年のフィラデルフィア・ソウル風と考えればそんな気もします(妙に耳に残って困る)。
- ボーナス・トラックの「ウー・チャイルド」がとても良い感じなので、ザ・ファイヴ・ステアステップスのオリジナルも聴いてみたいのですが、どうやら入手困難な模様。ニーナ・シモンでもトライしてみようか。
- やはり最初はカヴァー・アルバムではなく「イーライと13番目の懺悔」か「ニューヨーク・テンダベリー」から聴くべきだったような気もしますが、縁がなかったということなのかもしれません。