Sly & The Family Stone 「The Woodstock Experience」

ウッドストック・エディション(紙ジャケット仕様)

  • 「スタンド!」と抱き合わせる根性が気に入りませんが、ついに出たスライ・ストーンのライヴ音源となれば一も二もなく購入。
  • 良くも悪くも映画及びサントラの延長線上にあるパフォーマンスで、フックがないというか、驚きも意外性もありません。期待値が高かった分拍子抜けではあるのですが、全50分のうち、ハイライトとなる19分は既に耳ダコの音源ですので、それも致し方ないのでしょう。
  • 昔は「死ぬほどファンキーでグルーヴィー!」と思って聴いていましたが、今聴くと、グレッグ・エリコのドラムの剛直な感じやヒット曲を順々に演奏していく構成など、全体的にロッキッシュな感じを受けました。
  • ラストの「スタンド!」がしんみりと始まった時にはオッと思いましたが、チェンジ・オブ・ペースの後もっとゴリゴリと押してくれると嬉しかったのに。
  • その辺りのあっさり加減もまたロッキッシュな雰囲気。「アイ・ウォント・テイク・ユー・ハイヤー」をリプリーズで更に10分、というようなJBライクなコッテリした場面は良くも悪くも見当たりません。
  • とはいえ「ヘイ・ミュージック・ラヴァー」後半、あまり格好良いとも言えないホーン・リフに乗って、ドカドカと直線的に盛り上げていくような腕力はこの時期のスライ&ファミリー・ストーンならではかもしれません。ラリー・グレアムが偉大なのだ、という気もしますが。
  • 一昨年辺りから奇跡の復活を遂げているようですが、ブライアン・ウィルソンのようには崇められていないようで残念。評判も音源も耳にしたことはないのですが、音楽的内容が充実していないのでしょうか。廃人度で言えば、ブライアン・ウィルソンを遙かに上回るものがあったと思うのですが。
  • 「暴動」以降の時期も含め、ライヴ音源が残されているのであればどんどんリリースすべきだと思うのですが、スライ・ストーンの許可が降りなかったりするのでしょうか。