Various Artists 「Trojan Soulful Reggae」

Trojan Soulful Reggae

  • 「レゲエ・チルアウト」、「ロックステディ」に続いてトロージャンのボックス。日本のアマゾンでは取扱がなかったので、UKから取り寄せました。
  • ソウル・クラシックのレゲエ・カヴァーという安直ながらも非常に心地よくて堪えられない領域。初秋の気候にもマッチしており、エンドレスで聴き続けられます。以下特に気になった曲をいくつか。
  • ケン・ブース「レッツ・ゲット・イット・オン」は、マーヴィン・ゲイと似ても似つかない歌唱ながら、曲のキモである多幸感は濃厚に漂わせていて、後半のシャウトやコーラスにも雰囲気があって泣けます。
  • 本ボックスで大フィーチャーされているチョーズン・ヒューのカヴァーの中では「アイ・セカンド・ザット・エモーション」が良い出来ではないでしょうか。まったりとしたリズムとファルセットのコンビネーション。「ユー・アー・エヴリシング」も悪くないのですが、どうしてもファルセットの艶やかさをラッセル・トンプキンス・ジュニアと比較してしまいます。
  • テディ・ブラウン「ミッドナイト・トレイン・トゥ・ジョージア(夜汽車よジョージアへ!)」は割とストレートなカヴァーですがとても良い感じ。メイン・ヴォーカルが男声でコーラスが女声という本家とは逆のパターン。
  • パット・ローデンによるスティーヴィー・ワンダーのカヴァー2曲(「リヴィング・フォー・ザ・シティー」と「ブギ・オン・ザ・レゲエ・ウーマン」)は独特の懐の深い味わいがあって、オリジナルよりも好みかもしれません。
  • 「メイク・イット・ファンキー」を気合一発でカヴァーしたのはシャーク・ブラウン&ザ・ベースメント・ヒーターズ。「メイクィッレゲエ!」という強引さとハードなシャウトに痺れます。ファンキーだけどちゃんとレゲエになっているところも素晴らしい。マトゥンビ「レゲエ・スタッフ」(クール&ザ・ギャング「ファンキー・スタッフ」のカヴァー)も同傾向。
  • ローラ・ニーロのカヴァーで気になっていたザ・ファイヴ・ステアステップス「ウー・チャイルド」はオリジナルが聴けていない状況ですが、ブルース・ラフィンのカヴァーも程良くメロウで、もう満足してしまいそう。
  • ディスク3は有名曲のカヴァーが目白押しですが、中でもB.B.シートン「リーン・オン・ミー」はアレンジが曲調にマッチしていて、意外に高いトータルでの完成度。スタイリスティックスのカヴァー2曲(リロイ・シブルズ「ブレーク・アップ・トゥ・メイク・アップ」とボリス・ガードナー「ユー・メイク・ミー・フィール・ブランド・ニュー」)もさすがに良い雰囲気。
  • ジョー・ホワイト「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」は変といえば変なんですが、例の「ミ〜ィ〜ィ〜ィ〜」のところに捨て難いオリジナルな味わいがあります。
  • 3つ聴いてみて、トロージャンのボックスも取り敢えずは満足。