L'Archibudelli & The Smithsonian Chamber Players 「Mendelssohn & Gade: String Octets」

メンデルスゾーン&ガーデ:八重奏曲【Blu-spec CD】

  • 購入に到った経緯は忘れてしまいましたが、たぶん昨夏にスピーカーを買い換えた頃、レファレンス用として購入したのだと思います(ブルースペックCD)。夭逝の天才メンデルスゾーンが16歳で書いた弦楽八重奏曲。デンマーク生まれの弟子ゲーゼの八重奏曲とのカップリング。1992年録音。
  • 中村孝義による力の入った曲目解説が好もしい。「この作品に見られる実に整った形式感の美しさは、ちょっと並みのものではない。(中略)ここにはこの形式の要諦を完全に掴み、それを縦横に駆使できる天与の才が明確に刻印されているのである」、「しかも各楽章を彩るあふれるような楽想の豊かさ、瑞々しさは、恐らく彼以前にはモーツァルトぐらいしかいないのではないかと思わせる程の素晴らしさなのだ」、「この作品がわずか16才の少年の手によって、ごく短期間に仕上げられたものであるということを知るとき、われわれは彼が神から授けられた天才の大きさに驚嘆せずにはいられないのだ」と激賞。
  • 先のディスクガイドでは「新鮮さとスケールの大きさに二つの弦楽四重奏団のまとまりのよさが求められるが、スケールの規模はもとより、二つの弦楽四重奏団が演奏するのでなく、普段合奏を楽しんでいる連中がやっているだけあって、鮮度とアンサンブルのうまさは抜群だ」と幸松肇が解説しています。
  • スミソニアン博物館が所有するストラディヴァリウスにガット弦を張って使用。ラルキブデッリ=弓(Archi)+ガット弦(Budelli)。透明感があってまろやかな音色はガット弦ならでは、という気がしないでもない。ほぼノン・ヴィブラート。
  • オクテット編成の曲は初めて聴きましたが、通常のカルテットよりは多いのは分かるけれども、正直6人だろうと8人だろうとよく分からないというレヴェル。
  • スマートで美しいけれどフック(あるいはあざとい大技)がないという感じで、今ひとつ迫ってこないものの、ダイナミック・レンジもさほど広くなく、暖かくなる今時分にボケッと聴くには良いディスクだったような気がします。