2010-04-18 望月峯太郎 「万祝(1)〜(11)」 本 「ドラゴンヘッド」にやや付いていけないものを感じていたので、望月峯太郎作品のフォローを止めていたのですが、モーニング連載の「東京怪童」も好調の様子につき、購入、通読してみました。 「俺ならワンピースより面白い海賊物が描けるぜ」と思ったのかどうか分かりませんが、波瀾万丈の一夏の冒険が意外にバランスよくまとまっていました。 他方で、舞台装置等はよく練れているのに、結局最後まで物語が真にドライヴすることもなかった、という気もします。 トビミズチはディスカバリー・チャンネル「エア・ジョーズ」とハーマン・メルヴィル「白鯨」に、砦島(塔)は未来少年コナンの「のこされ島」に、それぞれインスパイアされたものでしょうか。 ディテールへの拘りは相変わらずで、カトーのサングラスやデロリアン、ルチャマスクの海賊の腰パンとエアフォース、ファンタズマゴリアや干珠丸の海賊旗、スズキの薄手のアディダス(トーラ?)と青竜刀等々、この図抜けたセンスだけでも飯が食えます。 デロリアン=1975年〜1982年に存在した自動車会社=同社が唯一製造した自動車DMC−12の通称。今デロリアンというチョイスが花井カオルのヤマハSR400並みに格好良くて痺れる。