池波正太郎 「男の作法」

男の作法 (新潮文庫)

  • 引き続き軽い読み物。第2弾は池波正太郎の名著「男の作法」。
  • 牧歌的で古くさい処世訓、人生訓が開陳されているのだろうと見くびっていましたが、天ぷら(「てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでも会ったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ」)、そば(「そばのつゆにしても、ちょっと先だけをつけてスーッとやるのが本当だと言うけど、これだって一概には言えないんだ。つゆが薄い場合はどっぷりつけていいんだよ」)、うなぎ(「おこうこぐらいで酒飲んでね、焼き上がりをゆっくりと待つのがうまいわけですよ、うなぎが」)など食べ物に関する話は味わい深くてとても良かった。「食卓の情景」、「散歩のとき何か食べたくなって」、「鬼平・梅安食物帳」、「わが家の夕めし」、「食べ物日記 鬼平誕生のころ」等も読んでみたいですが、食に関する書籍もそれなりに積み上がっていて躊躇せざるを得ません。
  • 97年刊愛蔵新版をもとに各テーマに沿った池波作品の名場面を抜粋し、編者が解説を付けた新編集版「新編・男の作法」なるものもあるようです。
  • バー絵の洋風の帽子(テンガロンハット?)にはやや違和感を覚えますが、何なのでしょうか。