Ella Fitzgerald 「Twelve Nights in Hollywood」

Twelve Nights in Hollywood

  • レコード・コレクターズ」のリイシュー・ベスト10、ジャズ・ヴォーカル部門第4位。国内では入手困難だったようなので米アマゾンで購入。
  • 届いた瞬間その大きさ(約19cm×約19cmの)にやや吃驚。むしろ本の中にCDを綴じ込んだページが4ページあるという装丁で、写真も大きなプリントで見られますし、文字も大きくて読みやすく、大変素晴らしいパッケージング。各曲ごとに簡単な解説が付いているのもとても嬉しい。
  • この時のライブは「エラ・イン・ハリウッド」として発売されていますが、ダブりはないとのこと(という意味ではコンプリート・セットではない)。
  • 本作の特徴を「レコード・コレクターズ」のレビューから引用。
    • 「驚くのは毎日プログラムを変えていること。『マック・ザ・ナイフ』、『ミスター・パガニーニ』など、何度か歌っていて別の日のテイクは収録されなかった曲もあるが、同じ時期のライヴ録音なのにCDでは歌のダブりがない」
    • 「もう一つ特徴的なのは、名手揃いの伴奏メンバーなのに、エラの歌だけで伴奏人のソロが一切ないこと」
  • ディスクごとにいくつか感想をメモ。まずはディスク1。
  • ディスク2。
    • ローレライ」の間奏で「ここでストリップが・・・」と言っていますが何のことなのでしょう。
    • 「幸福とはジョーという名の男」は村上春樹「村上ソングズ」でも取り上げられていました(ナンシー・ウィルソン)。
    • 「ブルー・ムーン」はザ・マーセルズによるドゥー・ワップ・ヴァージョンしか知らなかったので、そのカヴァーかと思って驚きました(1961年のヒットなので意識していた可能性は大)。
  • ディスク3。
    • 「エニシング・ゴーズ」は、映画「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」の冒頭で、ケイト・キャプショーが歌うのを観て以来好きな曲だったので、こうやって聴けて嬉しい。
    • 客席のマック・デヴィッドを見て、ピアニストとキイを簡単に打ち合わせただけで「キャンディ」を歌ってしまう場面などを聴くと、上手すぎて時にマシーンのように感じられるエラ・フィッツジェラルドも生身の人間であったことが強く感じられます。
    • ヴォーカル入りの「セントルイス・ブルース」を初めて聴いたような気がします。
  • ディスク4(これだけが1年後の1962年の再出演時の録音)。
    • 「オール・オブ・ミー」といえばダイナ・ワシントンですが、ここでのエラ・フィッツジェラルドも捨て難い。
    • 「ビル・ベイリー」ではそのダイナ・ワシントンの物真似を披露。ほどほどに似ています。
  • 4枚のディスクで曲目の重複が一切ないため非常に聴いていて楽しい上に、ホーンレス編成なので耳に刺さるような音もなく(ハーブ・エリスのギターが終始聞こえないのは残念ですが)、帰宅後〜寝る前に聴いてリラックスするのに最高。