「誰も知らない」

• ＮＨＫハイビジョンシネマで５月３１日放送。是枝裕和監督（２００４年）。

• 柳楽優弥のカンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞受賞も話題になりましたが、作品自体の評価も極めて高かったと記憶。

• 是枝裕和が構想１５年の末に映像化。安直な社会的メッセージやドラマ性に収斂させない作りに好感。

• 同時に、監督の意図が見えない不気味さは、実在の事件（巣鴨子供置き去り事件）をモチーフにしているためかとも思いましたが、単にインスパイアされた程度という気がします。

• ゴンチチの音楽が終始控え目に使われる中、最後にタテタカコ（コンビニの店員役で出演）の「宝石」を流すという音楽の使い方はややあざとい上にさだまさし的で好みではないのですが、「真夜中の空に問いかけてみてもただ星が輝くだけ、心から溶けだした黒い湖へと流されていくだけ」と歌われるとやはりドーンと来ました。

• 全編を通じて色濃く漂うヘルプレスなやるせないフィーリングがとても良かった。