Otis Rush 「Right Place, Wrong Time」

ライト・プレイス・ロング・タイム

  • 小洒落たものばかり聴いていると時折ブルースが聴きたくなりますが、今回は、近藤房之助が激賞していた記憶に基づきオーティス・ラッシュのキャピトル録音をチョイス。1971年録音ですがお蔵入りしていたため発表は1976年。
  • その近藤房之助が「オーティス・ラッシュだけは特別、格別なのだ」と思い入れたっぷりのライナーを書いていますが、「今、聴いても、改めてその各曲のツブの良さが光る−オーティスのアルバムとしては全体のバランスが大変良い−トータルに一枚を通して聴く事が出来るCDである事が理解る」とのこと。
  • 小出斉「ブルースCDガイド・ブック2.0」でも、「アルバム単位の吹き込みでは、現在に至るまで文句なしのベスト作」で「コブラ時代のような暗い凄みは後退しているが、このブルーさはラッシュならでは」と、やはりアルバムとしてのまとまりを賞賛しています。
  • メジャー・レーベル録音らしく、アレンジも熟れているし、いかにもES−335(ES−355?)といったトワンギーな音もきれいに録れていますが、ブルースにアルバム単位のまとまりや聴き易さは求めないので、むしろアルバート・キングとのカップリング盤「ドア・トゥー・ドア」の方を買えば良かったかも知れません。
  • なんといってもアルバム・タイトルとジャケット写真の格好良さが高評価に貢献しているのではないかという気がします。