「めまい」

めまい <初回生産限定版>

  • NHKハイビジョン・シネマのアルフレッド・ヒッチコック特集。最後は「めまい」(1958年)、というよりもむしろ「めまい」を最後にしたくて放送の逆順で観てきたところ。
  • フェティッシュな雰囲気はボケッと観ていても相当色濃いですが、それを称して「屍姦」とは強烈。
  • キム・ノヴァクというと、これまで写真等から絶世の美女というイメージがありましたが、こうして見てみると確かに妖艶ではあるものの意外にバランスの悪い不細工な顔という思いが否定できません。
  • ラストはやや唐突で吃驚しましたが、淀川長治が「やはり、『めまい』はヒッチコックのクラシックですね」というだけあって、見応えがありました。ヌーヴェルバーグ的、フロイト的な見方もありましょうが、「非常にロマンチックでしょう、『めまい』という映画は。墓場へ行ったりね。アメリカ映画にしてはめずらしい。あれ、やっぱり、サイレント時代の毒婦役のスタイルですね。ああいうふうに不思議な力で男を引っ張っていくのはね」という感想は逆に新鮮かもしれません。