2010-07-05 藤子・F・不二雄 「エスパー魔美(1)〜(5)」 本 「エスパー魔美」については、原作もアニメも食わず嫌いで避けていたのですが、結果的には第1期配本の中で最大の嬉しいサプライズとなりました。 「マンガくん」〜「少年ビッグコミック」に掲載されたということに加え、「『オバケのQ太郎』(昭和39年)以来パーマン・21エモン・ウメ星デンカ・ドラえもん・キテレツ大百科と続いてきた一連の生活ギャグ路線が曲がり角に来ていた時期でもあり、このへんでちょっと目先を変えてみたいなと考えました」という作者の意図もあってか、いつもより対象年齢が高めの設定。私服も中学生らしく大人びているし、余韻のあるストーリーも多数(藤子・F・不二雄版ブラックジャックというと言い過ぎでしょうか)。 「パーマン」における島本和彦の解説も面白かったですが、ここでもやはり同業者・永井豪の解説が高濃度。ヌードモデルという設定が「ハレンチ学園」の影響かどうかはともかく、「本当の優しいお人柄の先生だが、パーティー会場などでサインを頼まれても、絶対に応じなかった。しつこい人には、キツイ顔で断っていらした。編集氏から聞いたのだが、事情があって仕方なく受けた時、先生は仕事場の机の上に色紙を置き、丁寧な下描きをし、丁寧にペンを入れ、丁寧に色づけをして、完成までにとても長い時間を費やしていらしたそうだ」というエピソードはとても良い話。