- 若桑みどり「クアトロ・ラガッツィ」を読んで「転び伴天連」クリストファン・フェレイラが気にかかり、調べてみたところ本有名作が浮上。
- いかにも教科書に載りそうな小説でしたが、意外だったのは梅雨から初秋にかけての季節感の豊かさ。山中の逃避行などキチジローの排泄物がムッと匂い立つような妙なリアリティ。
- 終盤になっていよいよ登場する和装の棄教者クリストファン・フェレイラ(「この国は沼地だ」)には、「地獄の黙示録」のカーツ大佐(「I've seen the horror」)の趣あり。
- 鼾だと思っていた音が穴吊りの受刑者の呻き声だったというディテイルは衝撃的。