- 映画「イントゥ・ザ・ワイルド」は、いかにもショーン・ペン監督という雰囲気を濃厚に漂わせていて、観に行きたいなと思いつつ、原作だけでもと購入しておいたのがもう2年前。
- レドモンド・オハンロン「コンゴ・ジャーニー」に触発された訳ではないと思いますが、旅のお供として選出。
- 読み進めるうちに「ただの青臭い若者の話じゃないか」と落胆し始めるのですが、1930年代の放浪者エヴェレット・ルースや、クリス・マッカンドレスの同類たち(ジーン・ロッセリーニ、ジョン・マロン・ウォーターマン、カール・マッカン)の逸話を挟み込み、更には自分のアラスカ探検の話も掘り下げることで緩急をつけていますが、結局のところ「ただの青臭い若者の話じゃないか」という感想は変わらず。
- それでも映画を観たら感動するかも知れないという予感はあります。表紙にもなっている放置されたバスの佇まいなど確かに胸に迫るものがあります。
- ジャック・ロンドンが「ロンドン自身が北極地方で冬を過ごしたのは一回だけであり、四十歳のときには、カリフォルニアの私有地で自殺して」おり、「太った哀れをさそう愚鈍な飲兵衛でもあり、書物で主張していた理想からはほど遠い活動的でない生活をつづけてもいた」こと、ヘンリー・ソローが「生涯、童貞だった」という事実には(知りませんでしたが)深く納得。
- 山深い乳頭温泉で読んでいると中々雰囲気がありました。