- イランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督作品初体験。NHK−BSで6月2日放送。1997年。カンヌ国際映画祭パルムドール。
- これから死のうという人間にしては主人公が多弁で人懐っこく、手助けとかグダグダ言ってないで死にたきゃ勝手に死ねばいいのにと、イライラする気持ちが消えない中に登場するド演歌人情親父バゲリさんが暑苦しさにおいて主人公を圧倒するものの、桑の実のエピソードは妙に陳腐。もう一度会いに行った時の奇妙に冷淡な態度も腑に落ちません。
- ラストに粗いビデオ映像で唐突に挿入される撮影風景(しかも作中唯一のBGMが「セント・ジェームズ・インファーマリー」という謎)。キアロスタミ作品を継続的に観てない人間には呆然とするばかりで理解不能でした。「蒲田行進曲」?
- 蓮實重彦的見巧者なら色々な感想もあるのでしょうが、率直に言って、一球もストレートが来ないうちに訳の分からない変化球で三振を奪られた感覚。現時点ではピンと来ていません。