Various Artists 「Classic Sounds of New Orleans」

Classic Sounds of New Orleans

  • レコード・コレクターズ11月号」のレビューで気になったアイテム。スミソニアン・フォークウェイズでは以前「ダウンホーム・サタデーナイト」というコンピレーションを購入してイマイチでしたが、本作は果たして。
  • 総論に加えて各曲毎の解説もついており、ロバート・H・キャタリオッティによるライナーは充実。写真もほどほどに収録(帽子から判断するにジャケット写真は表がドク・ポーリン、裏がユリーカ・ブラスバンド)。
  • 「C.C.ライダー」って本当にニュー・オリンズご当地ものなの?と調べていて、「C.C.ライダー」=「イージー・ライダー」=性的にリベラルな女性、ということを初めて知りました。ニューオリンズのミュージシャンによく取り上げられるレパートリーというだけで、オリジンがニューオリンズというものではなさそうです(オリジナルはマ・レイニー)。
  • ダーティー・ダズン・ブラスバンド的、プロフェッサー・ロングヘアー的なうねるグルーヴを求めて聴くとやや肩透かし(どちらかというとキング・オリバー的)ですが、2〜6曲目に収録された、靴磨きの少年の歌やブラックベリーの売り声など、往来の自動車の音等とともにパックされたドキュメント性の高い音源には胸がときめきます。
  • しかしながら、7曲目以降はスコープがボヤけていき、コンピレーション全体の足腰が定まらなくなっていく感じ。「これは!」という曲が1曲でもあれば印象も違ったのでしょうが。
  • 敢えて挙げるならばチャンピオン・ジャック・デュプリー「ラトルスネイク・ブギー」が格好良かったですが、次の売り払いの機会には処分するような気がします。
  • スミソニアン・フォークウェイズは非営利のレーベルのようですが、もう少し色気を出したコンパイルを期待したいところ。