2010-11-15 横山光輝・山岡荘八 「新装版・徳川家康(1)〜(8)」 本 昨年春に読みたいと思ったときには入手困難だった横山光輝「徳川家康」、書店をブラブラしていたら新装版が発売になっているのを発見。 中国大返しの時の黒田官兵衛の進言や天目山での土屋昌恒の片手千人斬り、三方ヶ原敗戦後のしかみ像といった美味しいエピソードをオミットしつつ、従来型の定説を中心に淡々と進行して若干物足りない感じ。 複雑な背景はもう少しト書きで補足しないと良く分からなかったり、兜や服装でしか登場人物の見分けがつかなかったり、石川数正の出奔や大阪の役前後の家康が好意的に描かれすぎていたり、と気になるところは他にも多数。 こういう諸々の欠点を差し引いてなお定番として機能するのは「三国志」と同じだと思われますので、周辺情報を補足した上で、もう1周ぐらいは読みたいところ。 「三国志」と比べるとセクシャルなシーンが目に付きましたが、これは吉川英治と山岡荘八との違いなのか、日中の文化的差異なのか。