「魅惑のオペラ（０３）；カルメン」

• 間が空きましたが、ＮＨＫの「華麗なるメトロポリタンオペラ」の放送に触発されて久々に小学館「魅惑のオペラ」。シリーズ第３巻「カルメン」。 ベルナルト・ハイティンク指揮、ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団。１９８５年、グラインドボーン・フェスティヴァル・オペラ。

• オペラ・コミック形式（アルコーア版）。わずか数作品を観ただけにも関わらず、レチタティーヴォではなく、ベラベラと普通に（フランス語で）喋り始めたのに微妙な違和感。恐ろしいものです。

• 単線的に恋愛悲劇が展開されるものと予想していたのですが、意外に起伏に富んだワイルドな話で、ラストも今日的。しかしながら、オペラにはもっと浮世離れした世界を求めたいところ。

• 序曲、カルメンが歌う「ハバネラ」、エスカミーリョが歌う「闘牛士の歌」辺りは、誰しも耳にしたことがあるであろうキャッチーな超有名曲。

• カルメン役のマリア・ユーイングがエキゾチックな容姿で強いインパクトを残しますが、デトロイト出身で、オランダ人、ネイティヴ・アメリカン（スー族）、スコットランド人、アフリカン・アメリカンの血が入っているそう。デトロイトというと、フォード、バッドボーイズ、モータウン、テクノ、治安最悪、というイメージが強く、オペラ歌手に致る経緯に興味がわきます。単にデトロイトのハイ・ソサエティ出身ということなのかもしれませんが、ウィキペディアによるとジャズを歌ったりもするようで、想像だけは膨らみます。

• 闘牛士エスカミーリョ役のデヴィッド・ホロウェイを見ていると、「紅の豚」のドナルド・カーチスを思い出します。