- シリーズ第5弾は「魔笛」。 ホルスト・シュタイン指揮、ハンブルグ・フィルハーモニー管弦楽団。
- 1971年に「公演のライヴではなく、スタジオで特別に制作された贅沢な映像」で、アップショットやカット割りも多く、ミュージカル映画のような雰囲気(舞台映像だと思っていたので少し面食らいました)。ローファイな感じの舞台美術には戦隊モノの香りも。
- 「画像と録音は現在のレベルからするとやや劣る」ものの、「当代随一の錚々たる歌手たち(ハンス・ゾーティン、ニコライ・ゲッダ、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、クリスティーナ・ドイテコム、エディット・マティス、クルト・モル)による絶妙なアンサンブル、切々と訴える歌唱の数々」、「正統的な演出」による「歴史的名演」だそうです。
- 有名な夜の女王のアリア「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」を余裕綽々で歌う姿には圧倒されますが、「初演の時に夜の女王を歌ったのは、モーツァルトの妻コンスタンツェの妹、ヨゼファ・ホーファー」で、「とても歌えない」と尻込みする「義妹のお尻をポンと叩いて、高音を出させた」んだそうです。
- 青柳いづみこが「『健全な』おとぎばなしか、「隠微な」フリーメイソンか。あるいは、『隠微な』おとぎ話か、『健全な』フリーメイソンか・・・・・。≪魔笛≫の台本をとりまく環境は、ピラネージやエッシャーの描く世界のように、ねじれている」と指摘するとおり、単純ではないところが深みと言えましょうか。
- 「魔笛」まで観るのが一応の目標だったので、当面はオペラもこれで打ち止め。