ジョエル・ロブション 「ロブション自伝」

ロブション自伝 (中公文庫BIBLIO)

  • 曰く「この本の、特に前半部分の素晴らしさ。後に、戦後フランス料理史上の最大の分岐点である『ヌーヴェル・キュイジーヌ・フロンセーズ(新フランス料理)革命』の先導者となる天才シェフが、『生まれながらの喰いしん坊の子供』として生まれてから料理人になるまでの流れは、今世紀初頭のコロンジュ=オー=モンドール(フランスのリヨン郊外の街。ソーヌ川の流域にあり、ヨーロッパ最高の食材が集中している地域です)のふくよかで美しい光景描写をバックに、もう、僕をメチャメチャにしてしまいました」。
  • それに比べると本書は常識的で説教臭い内容で、あまり読んでいて面白いものではないように思いましたが(フリーメイソンのメンバーを明言していたのにはびっくりしましたけど)、今更ポール・ボキューズの自伝を買い直すほどの気力は今はなし。
  • 「理想的な料理とは、途方もない仕事量に反して、最後にはとてもシンプルに見えるようなものです」という発言には深く共感。仕事のモットーにしたい。
  • この流れでいくなら、次は開高健「最後の晩餐」か吉田健一「私の食物誌」。