Hal Foster 「Prince Valiant vol.1: 1937-1938」

Prince Valiant: 1937-1938 (Prince Valiant (Fantagraphics))

  • 話自体は他愛もないシンプルなものなのですが、初級者には耳慣れない古めかしい単語が頻出する上に、短く韻文的な描写のため、読み進めるのに少し困難は感じました。
  • 何といっても素晴らしいのは圧倒的な画力。コミック・ストリップというよりは絵物語と言った方が近いかもしれません(吹き出しもありません)。
  • おかっぱ頭で目の細いヴァル王子がヒゲのない宮司朗に見えて仕方がありません。
  • ポータビリティを犠牲にした大きな判型(35.6×26.5cm)も好印象。ウィンザー・マッケイ「リトル・ニモ・イン・スランバーランド」がこれくらいの仕様で出たら何はなくとも欲しい。
  • ただし、持ち歩いて電車の中で読んだり、寝る前に横になって読んだり、ということは現実的に不可能なので、読了するまで時間はかかりました。
  • 他方で、アーサー王の世界には以前より興味があったにも関わらず、本作のストーリーにグイグイと引き込まれるということはなく、画の美しさだけでこのシリーズを読み継いでいく気にはならず。積んであるトーマス・ブルフィンチ「中世騎士物語」(岩波文庫)でも読もうと思います。