小西康陽 「これは恋ではない 小西康陽のコラム1984−1996」

これは恋ではない―小西康陽のコラム 1984‐1996

  • 結局のところ、こちらが歳をとって小西康陽が好きになってきたのではなく、歳をとって内省的になった最近の小西康陽が好きなだけだったようで、この時期の文章を読んでも惹かれるものがほとんどありません。
  • ジャック=アンリ・ラルティーグ「ダイアリー・オブ・ア・センチュリー」や長谷川町子サザエさんうちあけ話」等、書籍でいくつか気になるアイテムがありましたが、音楽の方では特になし。既に「マーシャル・マクルーハン広告代理店。ディスクガイド200枚。」を熟読・吟味してしまっているのでいたしかたないかもしれません。
  • 菊地成孔が「ユングサウンドトラック−菊地成孔の映画と映画音楽の本」で「この『これで最後の』というクレジットが、どういった経緯で書き込まれたか、ゴダーディアンを自称する音楽家の癖に、私は知りません(ご存じの方はどうかご教示下さい)」と書いていましたが、本書で紹介されている、小西康陽がルグランにインタビューした際に聞いたエピソード(「もう手を引いて活動の場所をハリウッドに移そうとルグランが決意したその矢先、ゴダールが次の映画の音楽を依頼してきた。丁寧にルグランは断ったのだが、ゴダールはどうしてもと言ってきかない。とうとうルグランが引き受けて、完成試写を観に行くと、オープニング・タイトルのクレジットにこう書かれていた。『ルグラン最後の作品』」)がその解説になっているのでしょうか。