2012-02-05 「泥の河」 映画 NHK−BSプレミアムで9月18日放送。小栗康平監督。1981年。日本アカデミー賞優秀作品賞・最優秀監督賞受賞、アメリカアカデミー賞外国語映画部門ノミネート。 宮本輝の河三部作は昔読んだのですが内容についての記憶はほとんどなく、どれぐらい原作に忠実なのかはよくわかりませんでした。 撮影地は名古屋の中川運河らしいですが、宿船(郭船)と対岸の食堂が非常に印象的。美術費に拘りのある監督だそうですが、流石です。 美術も素晴らしかったですが、キャスティングも実に乙な面々。藤田弓子と加賀まりこにはやられました。 ステテコに腹巻姿の田村高廣にも痺れましたが、芦屋雁之助が醸し出すナチュラルな労働者の雰囲気は圧巻でした。 「あかんたれ」等の古い東海テレビの昼ドラマのような音楽の使い方は少し気になりましたが、後を引く良い映画でした。 立川直樹・森永博志「クラブ・シャングリラの予言」で本作に言及されていたような記憶があって改めて拾い読みしてみたのですが、「田村高廣はうまいよね」、「『泥の河』には、まいったものね」、「田村家って、けっこううまいんだよ」というあまり中身のないやりとりしか見つけられませんでした。