- その菊池成孔が訳者である鈴木孝弥に送ったメールにあるとおり、「内容については、仰る通り、驚くべき新事実も、知ってる知ってるという定番も、いくらなんでもそれは違うだろという脇の甘さも総て備えている」というものですが、「1946年以降、彼はたとえばテクサスで炊事当番になり、フロリダでパイロットに、カリフォルニアでは大工とラジオの修理工になり、そして南米では外人傭兵にまでなった」ビリー・ティプトンや、「この3人の養子の父親であった74歳の男が女性だったことをまわりが知って仰天するのは、彼が1989年に他界した、実にそのときだった」ジャック・パーヴィスなど、知名度の低いミュージシャンに面白いエピソードがいくつかありました。
- そんなに面白い本でもありませんでしたが、むしろ同じく鈴木孝弥訳のパノニカ・ドゥ・コーニグズウォーター「ジャズ・ミュージシャン3つの願い−ニカ夫人の撮ったジャズ・ジャイアンツ」を機会があれば読んでみたい。