- NHK−BSプレミアムで2月12日放送。 ヘルマ・サンダース=ブラームス監督。2008年。
- ロベルト・シューマンがヨハネス・ブラームスの才能を見出す様子、ヨハネス・ブラームスがクララ・シューマンに惹かれる過程といった、コアになるべき部分の描写が雑で、何がしたかったのか意図が良く分かりません。あそこまで脱がせて愛撫しておいて性交はしないという演出も(象徴的なアプローチなんでしょうが)まったく感心しません。
- 監督はブラームス一族の末裔らしいのですが、ああいう活動的・開放的・積極的なヨハネス・ブラームス像を打ち出すのが新機軸だったんでしょうか。「こんなに長く親しい関係にありながら、ヨハネスが自分の心を動かすものについて一度も語ってくれないなんて、あなたには信じられます?私にとっては未だに謎なのです。いえ、彼をまったく見知らぬ人間と言いたいくらいです。二十五年前に初めてお会いしたときと同じように」という後年のクララ・シューマンの発言からするとずいぶん違和感があります。
- これが琴線に触れる人がいるとは思い難いですが、ひょっとしたら音楽的な面ではものすごく良質なのかもしれません。