「スミス都へ行く」

映画

ＮＨＫ−ＢＳプレミアムで２月２８日放送。フランク・キャプラ監督。１９３９年。アカデミー原案賞受賞。

音楽はディミトリ・ティオムキン（後年ロシア映画「チャイコフスキー」を製作）ですが、冒頭から流れる「ヤンキードゥードゥル（アルプス一万尺）」は独立戦争時の愛国歌であって、オリジナルではないようです。

その「ヤンキードゥードゥル」は、１８５３年にペリーが浦賀に来航した際、上陸時の行進曲として演奏されたそうです。想像すると趣深いですが、ペリー来航から本作との間が８６年間に対し、本作と現在の間が７４年間と、あまり差がなくなってきていることに吃驚します。

更には、原曲とは全く無関係に登山に関する歌詞がつけられたのが「アルプス一万尺」なんだそうです（京大山岳部説有り）。

ジェフ・スミスがボーイ・レンジャー隊長という設定ですが、アメリカ・ボーイ・スカウト連盟が「ボーイ・スカウト」の呼称の使用を断ったため、「ボーイ・レンジャー」という架空の名称を使ったんだそうです。

スーザンと対面してモジモジする様子を表す帽子のショットには妙な目新しさを覚えました。

えらく唐突な幕切れでしたが、スミスとサンダースが故郷に凱旋パレード、ペイン議員を許す、といった案があったようです。

当時独裁下のドイツ、イタリア、ロシア等では上映禁止だったそうですが、社会教育の教材として使われそうという点では、「１２人の怒れる男」と似ているのかもしれません。