- 1972年〜1973年に、「渋谷ジァンジァン」等のライヴハウスで隠し撮りされた音源。当然ながら音質は非常に悪いですが、記録的な価値は極めて高く、チャーリー・クリスチャン他「アフター・アワーズ」にも似た生々しい雰囲気。
- ライナーのRCの3人の若き姿もまぶしいですが、コード付き歌詞ノートの写真が実に良い味。
- 冒頭「黄色いお月様」は亡き母親(生母)に捧げたものとのことですが、生母と養母がいたとは(それなりにファンのつもりでしたが)知りませんでした。以下のとおりのようです。
- 「売れなかった時期に、レコーディングの予定もないまま、とにかく曲だけはいっぱいつくっといたから。(中略)下積みとは、キミ、そういう時のためにあるんだよ」と「ロックで独立する方法」で語っていたとおり、「弱い僕だから」、「九月になったのに」など、後年、録音され世に出た曲が多数演奏されていますが、ザ・タイマーズ「偉人のうた」のオリジナル(「もしも僕が偉くなったなら」)を既にこの時期にやっていたとは、かなり意外で驚きました(あくまで別人ですが)。
- 正確に時系列を見てみると、本格的に低迷しはじめたのは1974年頃以降のようなので、この音源の頃はまだ初期RCがそれなりに順調だった頃かもしれません(「初期のRCサクセション」、「楽しい夕べに」がともに1972年)。
- 後にRCサクセション「OK」(1983年)に収録された「お墓」や、リトル・スクリーミング・レヴュー「グルーヴィン・タイム」(1997年)に収録された「ガラクタ」等を聴いていると、アレンジが劇的に異なっているが故に、逆に、キャリアの連続性というか音楽性のインテグリティーのようなものがひしひしと実感されてグッときます。
- 未聴だった「マリコ」がしみじみと素晴らしく、未発表曲かと思いましたが、RCサクセション「ノーティー・ボーイ」(1986年)に収録されている既発表曲のようです(CDではベスト盤「グレイトフル・デイズ1981−1990」に収録)。