Carole King 「Tapestry」

つづれおり

  • 何となくこれまで縁がなかったキャロル・キング1971年の超特大ベストセラー(累計2500万枚)。
  • 山下達郎「オン・ザ・ストリート・コーナー2」に収録されていた「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」と、そのライナーの解説「1960年シレルズから、1971年キャロル・キング自身のアルバム『タペストリー』へと引き継がれたことによって、ティーン・エイジ・ラブ・ソングに新たな意味が加えられ、この歌に、哲学的な崇高さが加味されました。永遠の名作です」が購入の直接的なきっかけ。
  • 1942年生まれで、最初の歌手デビューが1958年(16歳)、ジェリー・ゴフィンと結婚したのが1959年(17歳)、「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロー」がナンバー・ワン・ヒットになったのが1960年(18歳)という早熟さ。1968年(26歳)で離婚、ソロ再デヴューが1970年(28歳)、1971年(29歳)に本作でジャックポットをヒット。
  • プロフェッショナルなソングライティングと微妙にヘタウマな歌唱、プレーンにしてツボを心得たバッキングとナチュラルで趣のあるジャケット写真が一体となって、シンガーソングライターのアルバムの妙味が結晶している感じ。捨て曲や弛みどころがなく、二塁打本塁打しかないといった曲の粒揃い加減はさすがにマスターピースの風格。
  • 個別には、「ホーム・アゲイン」のなんてことのない間奏に滋味があってしみじみと良いです。昔なら小馬鹿にして聴かなかったであろう音楽で虚心に感動できるというのは、加齢の良い側面と言えましょう。