2013-08-13 古谷実 「シガテラ」 本 古谷実作品は読んだことがなかったのですが、古谷実が望月峯太郎を敬愛しているとのことから、代表作らしき本作にチャレンジ。2003〜2005年連載。 ビルドゥングス・ロマンの骨格に、ディテイルのリアルさで肉付けした、全くオリジナルな運び方に、思春期の鬱屈した不安感が生々しく甦ります。 本作と同時並行で読んだのも、大槻ケンヂ「グミ・チョコレート・パイン」が全く響かなかった一因と思われます。 メインのラインを離れた単発のエピソード(斉藤+金造/新林/越/胃ガンの男/村岡)がそれぞれやや緩く、全体の中での収まりも悪い気はしました。 高い作家性と切実な文学性には久々に国内コミックで驚かされました。古谷実は他にもいくつか読んでみたい。