「男はつらいよ−純情編」

第6作 男はつらいよ 純情篇 HDリマスター版 [DVD]

  • NHK−BSプレミアムで7月16日放送。山田洋次監督。1971年。シリーズ第6作。
  • シリーズ最終作とすべく製作した前作がヒット。大映のスター若尾文子をヒロインに据え、気合を入れ直して作ったのが本作。
  • 冒頭のテレビ放送「ふるさとの川−江戸川」から見覚えあり。むしろシリーズ中でもかなり印象に残っている作品でした。
  • 若尾文子が小顔で実に綺麗ですが、表面的な雰囲気であまり印象に残りません。むしろ冒頭とラストで登場する宮本信子の方に気持ちが入ります。
  • 後年ではあまり見られないシリアスなやりとり(「子供のおっけん電気ば消してください」、「俺ぁその男を殺すよ」)にいきなりジンときます。
  • 短い出番ながら、中村旅館の雰囲気も相まって、森繁久弥の佇まいが最高。無言のまま涙を流すラストも良かった。
  • 「夏になったら鳴きながら、必ず帰ってくるあの燕さえも、何かを境にパッタリ姿を見せなくなることも、あるんだぜ」の件は、100%フリだと分かっているからこそ、ジワジワと笑える。
  • 最高に可笑しいのがタコ社長のガチャガチャとした私邸(「あんたを男と見込んで堤梅太郎、ウルサイ!」)。新聞紙で折った兜とか、良い味出してます。
  • 京成線柴又駅の出立シーン(「電車乗ってそれ開けてみたらよ、こんな真っ赤なおはじきが入ってやがんのオレ笑っちゃったよ」)は歴代でもベストの一つではないでしょうか。マフラーの演出も泣けます。