- 「無罪モラトリアム」に続いてセカンド。2000年。
- 「セカンド・アルバムなんかはまだ『無罪〜』が100万枚越えする前、レコーディング自体を面白がっていた時期に録ったもの」とのことですが、ファーストの手応えを踏まえた純化路線という印象。
- 特大ヒット「ギブス」と「本能」が浮く感じも意外なことにさほどなく、垢抜けなさや暑苦しさも含めて、椎名林檎の中二病的資質が結晶しているという意味では、誠に時宜を得たアルバムだったんだろうという気がします。
- 何となく聴き流していても、最後の最後「依存症」のエンディングでハッとさせられます。盛り上がりに不自然さがなくて聴かせるアウトロ。
- とりあえず初期2枚は聴了。本人の以下の発言などを読むと、サードも聴くべきかなという気がしてきますが、壮絶な自爆テロ作品という先入観があって躊躇します。
- 「10年後にこういう音楽を作れるようになりたいなっていうヴィジョンはあって、そのためにこういう作品をリリースしているんだってことを少なくともスタッフの方や参加してくださるミュージシャンの方にはご理解頂かなければいけないと思っていて、実際にそういう順番で作品を録っていったつもりです」
- (その作りたかったものというのを敢えて言葉にするなら?)「単純な話、『加爾基 精液 栗ノ花』みたいなものです。レコーディングに時間をかけさせて頂く点です。あと、若作りしない感じ。まぁ、まさに『加爾基〜』みたいなことを早くやりたかったんです」
- 「デビュー当時から放任されていたら、ついそういう方向に向かってしまいがちでした。そこで亀田さんや森俊之さんだったりが若作りさせてくださって、ナチュラルに見えるようなハード・メイクをしてくださったと思っていて。でも、その“ハード・メイクをせずに音楽が出来るんだったら、全く違う意味で、爽快なんだろうな”と思いつつ……」
- 「だって、『勝訴〜』の頃って、未だモラトリアム期全盛で、子供を盾にふざけていたというか、デカダンスであることを先にイメージ付けして、次の作品に行くつもりだった」
- 良いインタヴュー集があればちょっと読んでみたい気はします。縁と時間とお金があれば。
- ちなみに2000年の音楽で記憶に残っているのは以下のとおり。コンテンポラリーな音楽をほとんど何も聴いていなかったに等しく、(シーンの変化という可能性も否定しきれないものの)4月を境に車に乗らない生活に移行した影響がこれほど大きかったかと、今更ながらに驚いた次第。
- B.B.キング&エリック・クラプトン「ライディング・ウィズ・ザ・キング」
- 大泉逸郎「孫」