「男はつらいよ−噂の寅次郎」

第22作 男はつらいよ 噂の寅次郎 HDリマスター版 [DVD]

  • NHK−BSプレミアムで8月20日放送。山田洋次監督。1978年。シリーズ第22作。マドンナは大原麗子(初登場作品)。
  • 大原麗子のマドンナは記憶にあったのですが、第34作「男はつらいよ−寅次郎真実一路」(1984年)の方でした(別キャラクター)。
  • 時代劇/夢オープニング。本編との関連性などを気にするのは無粋なのでしょうか。
  • 酔ったタコ社長が「昔の名前で出ています」を熱唱(「忍と呼ばれたの〜♪」)する件、「今日は私がもてちゃってね」という言い振りも含めてやたら可笑しい。
  • 僧侶に女難の相を指摘されるのは大井川の蓬莱橋静岡県島田市)。世界一長い木造歩道橋だそうです(通行は有料)。
  • 志村喬パートは「歳を取るとな、速い乗物に乗ったって仕方ないんだ」など、一言一言含蓄があって見応えがあります。旅先で寅次郎に言われた「そんなふうに思ったら世の中面白くも可笑しくもないじゃないの」が、京成柴又駅での「あれは私に似て頑固なだけで面白くも可笑しくもない人間ですが」という形でリファーされ、更に安曇野の土地の購入も信州旅行の目的の一つだったのかもしれないと思わせるという、大変に好みな展開。
  • 他方で、本筋と有機的に絡まないというか、全体としていまいちグルーヴしないというか。更に、泉ピン子パートはチェンジ・オブ・ペースにはなっているものの、やりすぎ感があります。
  • 本筋の大原麗子パートも、肝心の「好きよ」が唐突で違和感はあるものの、離婚後とらやで泣いてしまうシーン(「私泣きそう…二階に行ってもいい?」)と室田日出男を追いかけるよう促すシーン(「明日聞くよ」)は強く印象に残ります。
  • 1978年にSLが現役ということはないような気がして調べてみたところ、撮影地は大井川鉄道塩郷駅(これはロケの都合でしょう)。撮影前年に運行開始した日本での復活蒸気機関車第1号機だそうです。