Daft Punk 「Random Access Memories」

ランダム・アクセス・メモリーズ

  • デビュー作「ホームワーク」(1997年)が「いわば僕らがロック・ファンに対して“エレクトロニック・ミュージックってクールだよ”と言ってたようなもの」で、2作目「ディスカバリー」(2001年)が「逆にエレクトロニック・ミュージックのファンに対して“ロックってクールだよね”と言ってたわけ」の伝でいくと、本作は「EDMのファンに対して“ディスコってクールだよね”と言ってみた」ということなんでしょうか。
  • ナイル・ロジャース参加曲「ギヴ・ライフ・バック・トゥ・ミュージック」「ルーズ・ユアセルフ・トゥ・ダンス」「ゲット・ラッキー」はさすがに格好良いですが、ポール・ウィリアムスは今ひとつ存在感が出せていない感じ。
  • ジョルジオ・モロダー参加の「ジョルジオ・バイ・モロダー」もハードボイルドで格好良いですが、トッド・エドワーズ参加の「フラグメント・オブ・タイム」もプリファブ・スプラウトの香りがして良い感じです。
  • 「コンタクト」以外はサンプリングを使用していないので、生音回帰とも言えますが(「ドラムを使ってダンス・ミュージックを作ってみたいというのがぼくたちの夢だった」)、ギチギチに編集で作り込んでいる感じもあって、開放感とか多幸感といったようなものはあまり感じられないかもしれません(生音≠生演奏)。
  • 8年降りの新作でここにフォーカスしてくるかという凄み。ミニマルでストイックでえらく格好良いです。