- ダフト・パンクというとヒットしたセカンド「ディスカバリー」(2001年)こそはそれなりに聴いたものの、それ以外はとんとさっぱりという状態でしたが、「ゲット・ラッキー」のヒットにより、ダンス・クラシックス/ディスコ/ブギーといったエリアに注目が集まっているらしい、という情報を目にして、YouTubeで同曲のMVを見てみたところ、ダフト・パンクの2人(ロボット)とナイル・ロジャースとファレル・ウィリアムズで地味目なディスコというコンセプトに一発でハマりました。
- デビュー作「ホームワーク」(1997年)が「いわば僕らがロック・ファンに対して“エレクトロニック・ミュージックってクールだよ”と言ってたようなもの」で、2作目「ディスカバリー」(2001年)が「逆にエレクトロニック・ミュージックのファンに対して“ロックってクールだよね”と言ってたわけ」の伝でいくと、本作は「EDMのファンに対して“ディスコってクールだよね”と言ってみた」ということなんでしょうか。
- ナイル・ロジャース参加曲「ギヴ・ライフ・バック・トゥ・ミュージック」「ルーズ・ユアセルフ・トゥ・ダンス」「ゲット・ラッキー」はさすがに格好良いですが、ポール・ウィリアムスは今ひとつ存在感が出せていない感じ。
- ジョルジオ・モロダー参加の「ジョルジオ・バイ・モロダー」もハードボイルドで格好良いですが、トッド・エドワーズ参加の「フラグメント・オブ・タイム」もプリファブ・スプラウトの香りがして良い感じです。
- 「コンタクト」以外はサンプリングを使用していないので、生音回帰とも言えますが(「ドラムを使ってダンス・ミュージックを作ってみたいというのがぼくたちの夢だった」)、ギチギチに編集で作り込んでいる感じもあって、開放感とか多幸感といったようなものはあまり感じられないかもしれません(生音≠生演奏)。
- 8年降りの新作でここにフォーカスしてくるかという凄み。ミニマルでストイックでえらく格好良いです。