みうらじゅん 「青春ノイローゼ」

青春ノイローゼ (双葉文庫)

  • 表紙の写真に引っかかりを覚えたので何かのついでに購入。前半は相も変わらぬ他愛のない雑文という感じでしたが、第3章「俺だけの旅」がジワジワとセンチメンタルでいつになく染みる感じ。
  • 写真が実に効果的で、「追憶のラブホテル」、「オレの旧家」、「オレから出したオレへのハガキ」、「表参道の事務所(短髪時代)」など、文章だけでは生まれ得ないリアリティー。「ハゲた男が新しい環境に移る時、こっそりカツラをかぶるみたいに、オレもいつの日かこの街を出る時、すべてのコンプレックスを置いて行こうと思っていた」、「たとえ大嫌いな自分でも、このままやっていけるのならその道を選ぼう!」などという文章が俄然切迫したものとして迫ってきます。
  • 伊集院光によると第3章だけで出さないのが良いところ(「それをしないみうらさんがいい」)らしいですが、もうちょっとまとまりがあっても罰は当たらないように思います。