増田俊也編 「肉体の鎮魂歌」

肉体の鎮魂歌(レクイエム) (新潮文庫)

  • 玉木正之 「彼らの奇蹟−傑作スポーツアンソロジー」の続編で、「格闘技はそれだけで別のアンソロジーを企画しているので除外(増田俊也氏の編纂で格闘技作品のアンソロジーがし、7月に新潮文庫から出版される予定)」、「さらに野球も、いずれそれだけで企画を進めたいので除外」されていたのがこの企画のよう。格闘技と野球で併せて一冊になったのが変更点でしょうか。
  • 「私たちの世代にとっては名作すぎて『多くの読者が既読だろうから』と外すのではなく、まだ読んでいない若い世代にスポーツノンフィクションの頂点の高さを示すことができる、絶対的なクオリティの作品のセレクト」という編纂方針だけあって既読のものもいくつかありましたが、再読も含めて実に堪能。
  • 初読の物では、「オリンピックに嫌われた男」で描瀬古利彦の苦渋に共感し、「遙かなる祝祭。−吉村禎章の軌跡。−」で涙し、増田俊也超二流と呼ばれた柔道家」の堀越英範にグッときましたが、ちょっとピンとこなかったのは佐瀬稔「アリを超えた男−イベンダー・ホリフィールド」。肉迫できていないというか熱が伝わらないというか。