水野和夫 「資本主義の終焉と歴史の危機」

資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)

  • ちょっと前に購入してあったアイテムですが、年始に観たNHKドキュメンタリー「欲望の資本主義2017−ルールが変わる時」に刺激されて着手。
  • 新書向けに割り切っているせいなのか論の進め方が雑で、民主党政権に参画していた人らしいナイーヴさも引っかかりますが、「短期の景気分析では決して得られない資本主義世界の歴史のうねりを実感できる」(中谷巌)のは確かに魅力。
  • 世界からイノヴェーションやフロンティアが消滅したとは思えず、労働者=消費者=中間層のエンパワーという意味ではやはり格差の是正が問題で、「欲望の資本主義」で言えばジョセフ・E・スティグリッツに説得力を強く感じます。
  • 没落した多数派中間層の反発という観点では、BREXITもトランプ政権誕生も然るべき歴史のうねりという実感もあり。