- 10年以上前に購入したらしきもの。2010年1月17日の毎日新聞「今週の本棚」掲載の江國香織の書評が挟んであった(「発熱しそうにおもしろい陰謀小説にして、マフィア小説。息をもつかせぬ展開で、一気に読ませる。大胆で巧妙、そして鮮やか」)。
- ゴールデンウィークの旅行の機会に何の気なしに読み始めたらドカンと引き込まれて一気読み。序盤中盤の猛烈な熱さに比べると若干の尻すぼみ感はある気はするものの、グイグイと一気読みする体験自体がかなり久しぶりでとても楽しかった。
- アート・ケラーとアダン・バレーラの微かな友情らしきものが発端にあるところが実に良い。ボクシングを通じてバレーラ兄弟と仲良くなるくだりにはレイモンド・チャンドラー「長いお別れ」を想起(フィリップ・マーロウとテリー・レノックス)。
- 歴史的背景はそれなりに史実のようで、登場人物に実在のモデルも多数あるよう(ミゲル・アンヘル・バレーラ/ミゲル・アンヘル・フェリクス・ガジャルド、アダン・バレーラ/ホアキン・”エル・チャポ”・グスマン、“黄色毛” メンデス/エクトル・”エル・グエロ”・パルマ、エルニー・ヒダルゴ/エンリケ・”キキ”・カマレナ、フアン・パラーダ/フアン・ヘスース・ポサダス・オカンポ枢機卿、スコット・クレイグ/オリバー・ノース)。
- 「ザ・カルテル(上)(下)」、「ザ・ボーダー(上)(下)」も購入したので勢いで読み進めたい。