ケネス・アンガー 「ハリウッド・バビロン」

  • 絶版だったのでインターネット古書店なるものを初めて利用しましたが、多数の古書店による共同の検索サイトがあったりして思ったよりずっと便利。
  • ただし「本を愛する人の総合サイト・スーパー源氏」という名称はどうなんでしょうか。若干風俗産業の香りを感知してしまうのですが。
  • そもそもエジソンの特許逃れのために西海岸に設置されたことに始まるハリウッドのスキャンダル史。コカイン、不倫、殺人、自殺、同性愛、少女愛。前書きにもあるとおり真偽定かならぬところが魅力の一つ。
  • 1920年代の話を読んでいると何となく大恐慌の到来に爽快感を感じてしまいます。強制リセットの清々しさでしょうか。
  • 「ゴッド・ファーザー(マリオ・プーヅォの原作のほう)」で詳しく描かれていた世界だよな、と思ったらベン・シーゲル(モー・グリーンのモデル)も登場。
  • 大量に掲載されている写真が見ていて飽きないです(死体の写真を見て喜ぶ趣味はないですが)。「イントレランス」のセットには圧倒されました。
  • 固有名詞(愛称、略称、別称を含む)が大量に含まれる上に、独特の文体と硬い翻訳で決して読みやすくはないのですが、それがまた得難い味わい。
  • 購入したのはクイック・フォックス社版なのでリブロポート社版の「ハリウッド・バビロンⅡ」も気が向いたら購入するかもしれません。「ブラック・ダリア」も映画化されたことですし。