ウラジーミル・ナボコフ 「ロリータ」

ロリータ (新潮文庫)

  • 旧訳を購入したまま何年間も放置していたら世評の高い新訳が文庫になっていました。
  • 内容は保証済みのマスターピースであるところに、良いきっかけと良い読書環境がバッチリはまって久々に幸福な読書体験となりました。
  • 翻訳してみて第2部の凄さを再発見したと若島正は言っておりますが、やはり第2部の前半はちょっと読み進むのが困難で朦朧としてしまいました。
  • 非ネイティブによる英語文学という点でコンラッドと比較されたりするのでしょうか。良く知りませんが。
  • 冒頭の一文(の原文)「Lolita, light of my life, fire of my loins. My sin, my soul. Lo-lee-ta: the tip of the tongue taking a trip of three steps down the palate to tap, at three, on the teeth. Lo. Lee. Ta.」はイヤらしいなぁ。
  • しかしロシア革命の亡命者にして作家・詩人、蝶学者、チェス・プロブレム作家とは何とエレガントな。自伝「記憶よ、語れ」が読みたくなりました。
  • 「いちばん困ったのは、自分をそういう立場に置いてみることだった。・・・・・何しろ、わたしは正常な人間だからね。(中略)ロリータの代わりに、ドミトリのところによく遊びにきていた女の子の腕をつまんだり、別の子の膝をさわったりもしたものだ」「キャロルは最初のハンバート・ハンバートだからな。」とのことでした。